こんにちは!セールスコピーライティング普及協会、認定ライターのおぎわらです。
セミナーセールスの最後、わかりやすいスライドも作りお伝えし、手ごたえもあった。なのに、いざクロージングに入ると…
- 空気が少し重くなる
- 自分の声がぎこちなくなる
- 「売り込んでいる感じ」がしてしまう
- 成約率が10%程度で止まる
そんな経験はありませんか?
「クロージングが苦手」と感じる方から多く聞かれる声ですが、実は、問題は“話し方”や“言葉選び”ではありません。
クロージングで失敗してしまう本当の原因は、クロージングの役割を誤解していることなのです。
そこで今回は、クロージングの正しい役割を知り、成約率を上げる方法について、お伝えします!
なぜ、クロージングで失敗してしまうのか?
それは、クロージング=説得だと思い込んでいるからです。
成約率の低い多くの方が、「最後に商品を売る時間」「納得させる時間」だと思っています。
その結果、
- もう1度商品の説明をしてしまう
- 価格の正当性を語り始めてしまう
- 不安を全部消そうと話し過ぎる
…という行動に出てしまいがちです。
しかし、これは逆効果!
セミナー参加者は、既にある程度納得しています。
それでも決められないのは、情報が足りないからではなく、選択肢が整理できていないだけなのです。
また、1対1の感覚を1対多で行うセールスに持ち込んでしまうことも。
相手の反応を見ながら調整できる1対1セールスとは異なり、1対多セールスでは、その場で説得することはできません。
1対多のクロージングに必要なのは、話術ではなく設計なのです。

成約率が上がらないクロージングに共通するNG例
①商品の説明をもう1度してしまう
「ここまでわからなかった人のために…」と言いながら、機能や内容を説明し直していませんか?
これは、「まだ理解できてないですよね?」と無意識に伝えてしまう行為です。
そうすると、見込み客は「くどい」と感じたり、重複することだからと集中力が途切れてしまいます。
②価格を正当化しようと話過ぎてしまう
- 安い理由
- 高い理由
- コスパ
- 時間単価
これらを説明しすぎてしまうと、見込み客の頭の中は「損得」モードに入ってしまいます。
「買いたい!」と感じる決断は、感情と整理で起きます。「損得」の計算では起きないのです。
③不安を消そうとして“安心”させすぎてしまう
「ムリにやらなくてもいいです」
「考えてからで大丈夫です」
「今決めなくてもいいです」
見込み客の様子を見ながら無理強いしたくない…という優しさのつもりで、つい言ってしまうこれらの言葉は、決断を先延ばしにする言葉になります。
見込み客は、あなたから買わなかったとしても、似たような他の商品・サービスを結局別のどこかで買うのです。
もしかしたら、別の商品・サービスを買うことによって、合わず、後悔してしまうことも…
選択肢は必要ですが、“考えなくていい理由”を与えてしまうと、人は動きません。
決断を先延ばしにせず、あなたがしっかりセールスをすることで、救われる人もいると考えてみましょう。
クロージングで本当にすべきことは「選択肢」を整理すること
クロージングの役割は、“売ること”ではありません。
やるべきことは、たった1つ、選択肢を整理すること。
見込み客がセミナーセールスに参加することによって…
- やった方が良いのはわかる
- でも、今決めるべきかわからない
- 自分で判断する材料がたりない
と感じています。
この状態を整理してあげるのがクロージングなのです。
セミナーは「決めさせる場」ではなく、「決められる状態を作る場」にしてあげましょう。

成約率が上がる実践テンプレ5Step
ここからは、実際にどのような流れでクロージングしていけばいいのかをお伝えします。
Step1 「ここまでの整理」をする
“売る”ことを意識するのではなく、“整理する”ことを意識しましょう。
- 今日のセミナーで学んだこと、気づいたこと
- 自分に当てはまったポイントは?
「ここまで、どんなことを感じましたか?」と、見込み客の頭の中を“振り返り”モードにします。
これによって、あなたの商品・サービスが見込み客自身にとって必要なものであることに気づいてもらえるよう誘導します。
Step2「このまま何も変えなかった場合」を言語化する
ここで初めて、現状維持した場合の未来を示します。
- 今のまま続けた場合は?
- 何が変わらないのか
- どこでまた悩むのか
煽らず、淡々と伝えましょう。“地獄”を見せるのではなく、現実を言語化します。
Step3「選択肢」をフラットに提示する
ここが最も重要です!
- やらない選択
- 自力でやる選択
- サポートを受ける選択
どれが正解かは言わず、「どれを選んでもOK」という前提で提示します。
客観的に選択肢を並べられて伝えられた方が、どれかに偏った選択肢を伝えられるより、自分のために選んでくれていると感じやすいものです。
どれかに偏った正解を伝えてしまうと、「売り込まれた」と受け止められてしまいやすいので、あくまで客観的に伝わるよう、フラットに提示しましょう。
Step4「売り手側は決めない」ことを伝える
ここで、売り手のエゴを手放します。
- 私が決めることではありません
- ムリに進めたいわけではありません
- ご自身で選んでください
“売れないクロージング”でよくあるのは、「これを買うべきです」「この選択が正解です」と売り手側が決めてしまう伝え方をしてしまうことです。
「私が説得しなきゃ」「私が背中を押さなきゃ」という売り手側のエゴを手放し、“見込み客自身が選択する”ことを伝えましょう。
ただし、「今考える理由」は明確に示してください。
例えば、「これから競合が増えてくるので、後からでは後発になり、より難しくなる」など、“今でなければならない理由”は伝えます。
Step5「行動の次の一歩」を具体化する
最後に、行動だけを整理して伝えます。
- 申込方法
- 期限
- 相談という選択肢
決断のハードルを下げるのが目的で、背中は押さないけれど、道はハッキリ示しましょう。
特に「相談」に繋げると、1対多でありながら、簡易的に1対1セールスに促すことができますので、成約率にも繋がりやすくなります。
まとめ|クロージングは「最後」ではなく「結果」
クロージングは、成約率を上げるための魔法の言葉ではありません。
- 価値の教育
- 共感
- 構成
- 集客
これらが噛み合った「結果」なのです。
売れない時程、最後でなんとかしようとしがちですが、それが一番の落とし穴。
是非「売ろう」とするのではなく「整理しよう」という意識で、クロージングを行ってみてください。
クロージングの前段階である、前半の教育や共感に不安がある方は、下記記事も参考に読んでみてくださいね。




