こんにちは。セールスコピーライティング普及協会、認定ライターの石井です。
PASONAの法則(問題⇒扇動⇒解決、絞込、行動)は、LP(ランディングページ)の構成を考えるうえでは必要不可欠の原理原則です。
もう1つ、LPやメルマガの型で有名な「よしこいの壁」(読まない、信じない、行動しない、今すぐ行動しない)がありますが、それと同じくらい重要な法則です。
そんなPASONAの法則ですが、実はLP以外でも使える法則でもあります。
具体的には、顧客に対するプレゼン、社内の企画書、YouTubeの配信、書籍や冊子の作成など、様々なことに応用できます。
それにも関わらず、PASONAの法則というと、LPでの活用法にしか触れていない解説記事がほとんどで、私は少しもったいないと感じていました。
そこで今回は、PASONAの法則で、LP以外の実践的な応用例をいくつか紹介します。
【おさらい】LPの構成で重要なPASONAの法則とは?

まずは、PASONAの法則について簡単にお伝えします。
すでに知っているという方は、読み飛ばしてもらって構いません。
PASONAの法則は、Problem(問題提起)、Agitation(扇動)、Solution(解決策)、Narrow down(絞込)、Action(行動)の順番で商品・サービスの魅力を伝えることで、消費者の購買意欲を高めるという法則です。
日本の代表的なマーケッターで経営コンサルタントの神田昌典氏が提唱して以降、特にLPの構成などで利用されます。
Problem(問題提起) | 「こんなお悩みありませんか?」「こんな方におすすめです!」など問題提起する。BDFのうちDesire(欲求)、Feelings(感情、悩み)に訴求する。 |
Agitation(扇動)・Affinity(親近感) | Problem(問題提起)とSolution(解決策)の繋ぎの部分。共感・親近感、常識破壊・衝撃の事実、圧倒的な権威性やデータ、物語などで構成する。 |
Solution(解決策) | 問題解決する方法を提案する。 |
Narrow down(絞込) | 「先着〇名」「お申込みは〇月〇日まで」など緊急性・限定性で申込みを後押しする。 |
Action(行動) | 申込みボタン周りで購入を後押しして、申込みを促す。 |
PASONAの法則を活用したLPの構成例については、次の記事をご覧ください。

セールスコピーライティングの有名な型には、もう1つ「よしこいの壁」があります。
次のように消費者の「読まない」「信じない」「行動しない」「今すぐ行動しない」の壁を超えて購入を促すものです。
読まない | LPやチラシのヘッダー、メルマガの冒頭などで、続きを読んでもらう。 |
信じない | お客様の声、推薦の声、権威性、選ばれる理由、比較表、プロフィール、開発秘話などで信憑性を示す。 |
行動しない | 購入ボタン、料金、支払い方法、Q&Aなどで不安を払拭して購入を後押しする。 |
今すぐ行動しない | 限定価格、期間など緊急性・限定性を明記する。 |
※よしこいの壁の詳細は、以下の記事をご覧ください。
よしこいの壁も、LPの構成で非常に重要な原理原則で、次のようにPASONAの法則と密接に関係しています。
PASONAの法則 | よしこいの壁 |
Problem(問題提起) | 読まないの壁 |
Agitation(扇動)、Affinity(親近感) | |
Solution(解決策) | |
Narrow down(絞込) | 「行動しない」「今すぐ行動しない」の壁 |
Action(行動) |
PASONAの法則とよしこいの壁は、小説の起承転結に匹敵する非常に重要な原理原則で、理解するとLPの構成はかなり作りやすくなります。
逆に、PASONAの法則とよしこいの壁を知らない人に、LPの制作を依頼することは絶対に避けた方が良いでしょう。
LP以外の「PASONAの法則」4つの実践的応用例

PASONAの法則は、LPで非常によく使われます。
実際、PASONAの法則に関する話の大半は、LPの話です。
ただ、PASONAの法則は、全般的に消費者のアクションを促す原理原則なので、LPに限った話ではありません。
他でも実践的な応用例があるので、特に営業・セールスの場面では活用できる場面が多いです。
PASONAの法則をLPだけの法則にしておくのは、とてももったいないので、日々のビジネスでも意識しておくと良いでしょう。
プレゼン資料作成
マンツーマンの商談の場でも、1対多数のフロントセミナーの場でも、プレゼンではPASONAの法則を意識すると有効です。
テレビの通販番組や実演販売でも、よく見るとPASONAの法則を意識してプレゼンしていることがよくわかります。
多くの通販番組の流れは、大まかに次のような流れで進んでいるはずです。
【問題提起】
あなたはこんなことで悩んでいませんか?
↓
【扇動・親近感】
私も以前こんなことに悩んでいました。
でも〇〇してもうまくいきません。
↓
【解決策】
そんな方の悩みを解決する(願いを叶える)のがこの商品です。
↓
実際に使ってみましょう。すごいですよね。
↓
根拠はこれです。
↓
実際に商品を愛用された〇〇さんにインタビューしました。
↓
今なら29,800円のところ、なんと19,800円で販売します。
↓
【絞込】
(収録現場の裏にいるメーカーの営業担当者を呼んで)
MC「もっと安くしてくれませんか?」
メーカー担当者「うーん、先着50名限定なら14,800円で良いでしょう!」
↓
【行動】
今すぐこちらまでお申込みください。
気に入らなければ全額返金します!
消費者の購入を促す原理原則は、プレゼンでもLPでも基本的に同じです。
プレゼンだけでなく、顧客の課題を聞いたうえで提案書を作成する際も、PASONAの法則は十分使えます。
PASONAの法則は、セールスの場面では必ず意識するようにしましょう。
社内の企画書作成
PASONAの法則は、顧客に対してだけでなく、会社の上司や部下を説得するうえでも役立ちます。
わかりやすい例が社内の企画書です。
【問題提起】
社内でこんな課題があり、業務生産性が落ちています。
↓
【扇動・親近感】
現状のシステムでは、こんなに効率が悪いです。
↓
【解決策】
この課題を解決できるのが〇〇です。
↓
根拠はこちらです。
↓
【絞込・行動】
費用対効果でもこちらの方が良いです。会社で導入しませんか?
ほぼPASONAの法則と同じ流れで企画書を作っていますが、説得力が十分出てきます。
企画書の作成だけでなく、会議の場でもPASONAの法則を利用すると、意見が通るかもしれません。
YouTubeの配信
YouTubeで何か自社商品を宣伝したい場合も、PASONAの法則が役に立ちます。
こちらは、先ほど紹介した通販番組の流れと同じ要領で話していくと良いでしょう。
ただ、今までの配信内容と明らかに違和感のある内容になると、売り込み色が強くなる点は注意が必要です。
ブックライティング
周りで自分のコンテンツをまとめて商業出版したり、自分でKindle出版したりする人が増えています。
書籍を執筆する際、構成を考える際も、PASONAの法則が一部役に立つことがあります。
多くの実用書やビジネス書で共通しているのは、第1章(もしくは序章)が全体像を示しているということです。
そして、第2章以降で、具体的なノウハウや解決策を伝えていくという流れです。
なかには、全体像を示さずに、1章から本題に向かっている書籍もありますが、多くは全体像から入って興味付けをしています。
第1章で、主に書籍で伝えたい問題を提起していくのも、全体像を伝える1つの方法です。
書籍によっては、問題提起してから本題に入る方が読者が読みやすいこともあり、そうなると話の流れがPASONAの法則に似てきます。
例えば、PASONAの法則を元に書籍の構成を考えて、
第1章:問題提起
第2章:常識破壊や衝撃の事実(よくある勘違い、誤解など)
第3~5章:具体的な解決策
という流れにしても良いのです。
実際、既存の常識を破壊するものや、かゆいところに手が届くような内容の書籍は、読者に求められています。
他にも、書籍の構成のパターンは様々あり、「これがベスト」という型はありません。
しかし、1つの構成例として知っておくと良いでしょう。
なお、書籍に限らず、簡単な冊子やパンフレットを作成する際も、同じようにPASONAの法則を応用してみるのもありです。
【まとめ】PASONAの法則をビジネスで活かそう
以上、経営者が知っておきたいPASONAの法則の実践的な応用例をお伝えしました。
PASONAの法則というと、LPの構成の型という認識を持っている方は少なくありません。
しかし、顧客に対するプレゼン、社内の企画書、YouTubeの配信、書籍や冊子の作成など、様々応用できる原理原則です。
PASONAの法則はセールスの場面ではもちろん、様々なビジネスの場面で活かしていくと良いでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。