こんにちは。セールスコピーライティング普及協会、認定ライターの石井です。
ChatGPT、Gemini、Claude、Genspark……
生成AIの登場により、これまで自分の頭だけを頼りに悩み抜いて作成していたLPやセミナースライド作りが、随分と楽になりました。
「結構良いキャッチコピーだな」
「良い感じなんだけど、もうちょっと短めに要約してみよう」
私も、すべて丸投げすることはないですが、Geminiなどに原稿作成を助けてもらっています。
「1日かかっていたことがAIを使って30分でできた」とはいかなくても、悩んで手が止まる時間は短縮できたと感じています。
一方で、こんな声も聞こえてきます。
「あれ、思ったより成約しない」
「AIで作った文章、なんか響かない」
「手直しばかりで工数が増えただけ」
今回は、AIを使って効率的に成約率を上げようとするあまり、逆効果になってしまう人が陥る落とし穴について解説します。
【前提】一次情報や原理原則がないとAIを活かすことができない

AIを活用する場合に理解しないといけないのは、あくまでAIの知識はインターネット上の膨大なビッグデータにすぎない点です。
つまり、AIが知っているのは世の中の一般論であり、平均的な回答だけです。
世の中の一般論だけでセールスをしようとしても、商品の魅力など伝わらないし、競合商品との差別化はできません。
そのため、AIには、以下の情報を自分で教えてあげる必要があります。
- 自分しか持っていない一次情報(詳細な顧客の声、独自の開発秘話やプロフィールなど)
- 自分が普段使っている本質的な原理原則
- 自分が普段使っている型(LPの構成など)
AIを利用している方なら痛感していると思いますが、「キャッチコピーを10案作成して」と指示するだけではまともな案はほとんど出てきません。
AIに「いい感じに書いて」と丸投げすることは、何も知らない新入社員に「とりあえず売ってこい」と指示するようなものです。
これでは、そのまま使っても成約率は激減しますし、手直しに余計に時間がかかってしまいます。
AIで「成約率が下がる」「工数が増えただけ」の人がはまる5つの落とし穴と対処法
では具体的に、どのようなAIの使い方が成約率を下げるのかをお伝えします。
まとめると、AIを活用するにしても、マーケティングやコピーライティングの知識とスキルは自分で身に付けないといけないというのが結論です。
AIは、不要な情報を詰め込むと見当違いな方向を向くことがありますが、必要なデータはなるべく詳細に入れた方がいいです。
ターゲット選定が曖昧である
セールスやマーケティングの最大の基本はターゲット選定です。
ターゲット選定が曖昧なままでは、一般的な無難な回答だけど誰にも刺さらないコピーやプレゼン資料ができてしまいます。
よくマーケティングで言われる、「誰でもいい商品は誰にも売れない」というのと同じことです。
例えば「30代のビジネスマン向けの文章を書いて」では曖昧すぎます。
少なくとも、「39歳、〇〇大学卒で年収〇〇〇万円、役職は中間管理職、部下の育成に悩んで仕事を任せられず、昨夜も残業で終電帰りをしているストレスMAXの男性」くらいの情報は必要です。
具体的には、次のことは最低限自分で把握して、AIに情報提供しなければいけません。
| ターゲットの属性 | 性別、年齢、職業、住まい、家族構成、趣味、習い事、休日の使い方、お金の使い方、男性脳か女性脳か、好きなことや嫌いなこと、価値観などわかる範囲で |
| Belief | ターゲットの持つ商品の価値観・思い込み |
| Desire | ターゲットが商品を通じて満たしたい欲求や解決したい悩み |
| Feelings | ターゲットが抱く感情(特に焦りやイライラなどの負の感情) |
商品・サービスのターゲットは、自分しか知ることができないので、明確にしたうえでAIに指示しましょう。
BDFについては以下の記事をご覧ください。

文章だけでなく構成まで丸投げしている
「PASONAの法則やよしこいの壁を必ず使って、この商品のLPを作成して」
といった具合に、文章だけでなく構成(流れ)までAIに丸投げしても、大半はめちゃくちゃなLPになります。
AIは、ビッグデータのなかに「PASONAの法則」や「よしこいの壁」のような一般的な法則は入っていると思われます。
しかし、これらの法則を、自社商品に合わせて活用するといったことまではできません。
今後精度が上がってくることはあり得ますが、今のところ丸投げするとめちゃくちゃな構成になります。
もちろん、セミナースライド作りでも同様です。
本文はある程度AIを活用するにしても、構成段階は自分が主体的に作った方がいいでしょう。
せめて、構成を作るうえでの考え方は熟知しており、AIに詳細を指示できるくらいでないといけません。
LP作成を例にすると、ある程度の構成は決めておき、プロンプトには最低限次のような指示をした方がいいでしょう。
※実際には以下のプロンプトは一度に指示するのではなく、①から⑫のパーツごとに壁打ちする方がおすすめです。
やはり、リサーチや構成作りといった初期工程では、AIに助勢してもらいながらも人力に頼る要素が多いと考えています。
PASONAの法則やよしこいの壁は、以下の記事をご覧ください。

顧客の声などの一次情報が集まっていない
AIは顧客の声、自社商品の実績、開発秘話やヒーローズジャーニーなどといった、生の貴重な一次情報は知りません。
無理にAIに顧客の声などを書かせようとしても、たしかになんとか回答は得られます。
しかし、それでは単なる捏造ですし、やはり一般的な回答しか出てきません。
「体重が5kg落ちたけど、好きなものを食べることができるのでリバウンドしません」
「月収100万円達成できました。お金の心配なく家族と回らない寿司に行けます」
このようなリアリティのある一次情報は、やはり自分でアンケートを取ったり、インタビューしたりしないと得られません。
このような一次情報を多く読み込ませることで、キャッチコピーなどの精度は大幅に上がります。
AIを利用する際は、ターゲットに刺さりそうな顧客の声や自社実績などを多めに提供するようにしましょう。

なお、顧客のアンケート結果やインタビュー内容が集まったら、次のようにAIに指示して、HPやLPに掲載する顧客の声を作るといいでしょう。
具体的な利用シーンやベネフィットが伝わらない
AIは「効率化」「最適化」「幸福度向上」といった、聞こえはいいがイメージしにくい抽象的な言葉を好んで使います。
AIに文章を丸投げすると、次のように全然使えないような回答が出てきます。
- なんか違和感のある文章だ
- ちょっと何言ってるか分からない
- 無駄に大げさな表現をする(知らないと怖い、魂を込めて、超危険等)
- 違う話を無理矢理繋げている etc
これでは、具体的な利用シーンやベネフィットが浮かばないので、成約には繋がりません。
読み手の感情が動くのは、具体的な映像が浮かんだ時です。
×「業務が効率化され、自由な時間が増えました」
〇「18時に退社して、家族と温かい夕食を囲めるようになりました」
ベネフィットを的確に表現できるようにするには、やはり自社商品の魅力やお客様の声などの詳細をAIに読み込ませるしかありません。
そのうえで、「次のような利用者のベネフィットを意識してキャッチコピーを作ってください」「商品を使っているリアルな利用シーンを表現してください」などと指示しましょう。
自社商品の魅力を伝えずに、単に「ベネフィットライティングしてください」では、ほとんど良い回答は得られません。
競合との違いが伝わらない
AIは一般的な知識ベースで回答するため、競合他社の商品にもありそうな似たようなアピールポイントを出力してきます。
自社の商品だけが持つ独自の売り、競合が絶対に真似できない強みは、AIに丸投げしても判断できません。
競合との違いについては、次の2点を意識して洗い出すようにしましょう。
| USP | 自社商品だけが約束できるベネフィット |
| UFP | 他社にはない自社商品の独自の実績や経験、プロセス |
USPという言葉はよく耳にすると思いますが、UFPという言葉は造語なので、大半の方は聞き慣れていないと思います。
USPとUFPについての詳細は、以下の記事をご覧ください。


競合リサーチについては、GeminiのDeep Researchなどを使って、自社商品の情報を提供したうえで次のように指示をすると良いでしょう。
自社商品の魅力は自分で気付かないことも多いので、AIに引き出してもらうと、意外なUSP・UFPが見つかるかもしれません。
【まとめ】原理原則を知ったうえでプロンプトの型を作っておく
AIを使って広告やプレゼン用のスライドを作れる時代になりましたが、必ずしも有効活用できるとは限りません。
自らがセールスやマーケティングの原理原則を知り、一次情報となる顧客の声などは自分で集める必要があります。
そのうえで、プロンプトの型を作っておくと、より効率的にAIを活用することができるでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。


