こんにちは。セールスコピーライティング普及協会、認定ライターの石井です。
「商品やサービスの成約率を少しでも上げたい」
これは、ビジネスをしているなら誰もが抱く共通の願いです。
特に本命となる高額バックエンド商品については、成約する人が数人変わるだけで、売上で数百万円、数千万円という差が生まれます。
しかし、良かれと思って行っている施策が、実は顧客の心を遠ざけ、成約率を逆に下げてしまっているケースは後を絶ちません。
成約率を上げようと前のめりになるあまり、顧客心理と逆行するアクションを起こさないように注意が必要です。
私自身、実際に数多くのセミナースライドやLPを添削してきて、「これは申し込まないなあ」と思うことが多々あります。
そこで、本記事では成約率を上げようとして逆に成約率を下げてしまう5つの失敗戦略を解説します。
特典を過剰に付けすぎる

「期間限定で豪華10大特典をプレゼント」など、昔から成約率を上げるために特典をいくつも用意する人は少なくありません。
LINE登録者特典、説明会参加者限定特典など、PDFや動画を山のように追加し、「これでもか」とお得感を演出しています。
しかし、ガチの情報商材であれば話は別ですが、特典が多すぎると逆効果になります。
よく言われることですが、多少リストを増やすことはできたとしても、バックエンド商品の成約率は下がります。
バックエンド商品に興味はないものの、豪華特典を目的に登録する人がいるからです。
また、あまり特典が多すぎても見込み客が消化不良を起こす懸念があります。
「これだけ大量の教材やサポートをもらっても、自分にはこなす時間がない」と感じ、お腹いっぱいになってしまうのです。
基本的に、見込み客は忙しいと思った方がいいでしょう。
特典は数だけではなく質も大事です。
「え、これだけ?」「そんなの知っているわ」と思われるような薄い特典を量産すると、「この人から教わりたくない」と思われて離脱のもとになります。
特典は量を増やすのではなく、質を意識して3個くらいに絞るようにしましょう(特典の送り方にもよりますが)。
できれば、「本命商品の理解を促すもの」「本命商品へのハードルを下げるもの」であるのが理想です。
例えば、本命の講座が「文章の書き方」なら、特典は「そのまま使える構成の型」「AIプロンプト集」などです。
顧客が「これなら自分にもできそう」「もっと教えてほしい」と思えるような特典を用意して、初めて集客導線として機能します。
以下の記事も参考にしてください。

バックエンド商品となる本講座の内容を出し惜しみなく話す

「お客様にもっと良くなってほしい」と他者貢献の意識が高く、まじめで誠実な人ほどやってしまいがちなことがあります。
それが、フロントセミナーの段階で、バックエンド商品である本講座のノウハウを出し惜しみなく伝えようとしてしまうことです。
本講座で成果を出すためのノウハウをすべて詰め込んだ結果、見込み客はどういう行動を取るでしょうか?
「レベルが高くて自分にはできそうにない」と、離脱するのは間違いありません。
「お金がない」「時間がない」「自信がない」の三大断り文句のうち、「自信がない」に火を付けてしまうわけです。
そもそもフロントセミナーは2~3時間、最近よく見る「3日間チャレンジ」でも計6時間くらいです。
そんな限られた時間で、3ヶ月とか半年かけて行う本講座の内容を詰め込んでも、見込み客が吸収できるわけがありません。
難関大学の受験勉強を3日で終わらせようとするくらい無謀です。
フロントセミナーの役割は、ノウハウを教えて満足してもらうことではありません。
むしろ、具体的なステップや実践ベースのサポートはバックエンド商品のみで提供するという明確な線引きが必要です。
あくまで一例ですが、フロントセミナーでは、多くても次のことを見込み客に伝えるだけで十分でしょう。
- 顧客の固定概念や常識を破壊してパラダイムシフトを促す
- 本来必要なことは何かを伝える
- ワークなど体験を交えながら実践しやすいコンテンツを3つくらい教える
フロントセミナーでは、「何をすればいいかはわかった。サポートしてくれればできる」と必要性を感じてもらうのが一番の理想です。
詳細は、以下の記事をご覧ください。

熱意やトーク力で押し切って成約を取ろうとする

セールスの成約率は、話し手の熱意やトークスキルに比例すると思い込んでいる人は多いですが、それは完全に悪手です。
声のトーンを上げ、流暢なアドリブで立て続けに言葉を重ねてクロージングしようとすればするほど成約率は下がります。
売り手が熱くなればなるほど、見込み客は冷めていくものです。
人は「売り込まれている」と感じた瞬間、無意識に心のシャッターを下ろします。
どれだけトークが巧みでも、一方的な熱意は圧迫感でしかありません。
特に高単価な商品ほど、見込み客は勢いで買うことを避けます。
逆に口下手でも、コミュ障でも、スライドを見ながら話しても、正しいシナリオに沿って淡々と進行すれば成約します。
勢いではなく、事前にセミナースライドを準備して話をすることが大切です。
フロントセミナーで一方的に話しすぎる

個別相談ならともかく、1対複数のセミナーになると、「講師が話し、参加者が聞く」という一方向のコミュニケーションになりがちです。
しかし、良かれと思って、ひたすら一方的に有益な話をしても成約率は上がりません。
見込み客が一方的にノウハウを聞かされるだけの受け身の姿勢になると、頭では理解しても、購入の強い動機は生まれません。
結果として、「いい話を聞いた」という満足感だけで終わってしまい、「まずは独学でやってみる」と自己完結して申込みに至らない可能性が高いです。
一方的な話だけで、「お金がない」「時間がない」「自信がない」の壁を越えてもらうことは簡単ではありません。
セミナーは「説得する場」ではなく、「見込み客に必要性に気づいてもらう場」として設計することが大切です。
例えば、次のように設計すると良いでしょう。
- 参加理由を語ってもらう:冒頭で「今日参加した理由」や「解決したい悩み」を参加者自身に話してもらう。自分の口で語ることで、バックエンド商品に興味を持っていることを自覚できる。
- ワークや体験を交える:座学だけでなく、実際に手を動かすワークや、プチ体験の時間を交える。特に言葉で説明するより身体を使った方が伝えやすいコンテンツに有効。クイズ形式でセミナーを進めるのもあり。
- 質問して自分の本心に気づいてもらう:適宜「本当はどうなりたいですか?」「どうすればいいと思いますか?」と問いかける。見込み客は質問に答えることで「自分にはこの商品が必要だ」など自分の本心に気づける。
成約率を上げる質問については、以下の記事を参考にしてください。

商品プランの選択肢を用意しすぎる

「予算に合わせて選べるように」「色々なニーズに応えたい」という思いから、バックエンド商品に複数のプランを用意するケースがあります。
松竹梅の法則を意識して、3パターンくらい用意するのはいいでしょう。
実際、「プレミアムコース・スタンダードコース・ライトコース」など複数のプランを用意するのはよく見られます。
ただ、複数のプランを用意する場合は、あまり複雑にならないように、比較して選びやすくすることが大切です。
多くの人は、選択肢が多すぎると決断できなくなる「選択回避の法則」という心理的特徴を持っています。
例えば次のようなプランであれば、見込み客は離脱しやすくなるので商品プランを見直した方がいいでしょう。
- 商品プランに4~5個の選択肢がある
- 各々のプランが単純比較できない
- オプションが多数あるなど料金体系が複雑である
複数のコースを用意する際は、あくまで選びやすくシンプルにするようにしましょう。
【まとめ】良かれと思ってやったことが裏目に出ないように
今回挙げた5つの失敗戦略に共通しているのは、すべて見込み客の心理プロセスから外れているという点です。
まずは、見込み客が抱える不安や疑問を先回りして一つずつ解消し、商品の必要性に気づいてもらいます。
そして、最終的に見込み客自身の口から「お願いします」と言ってもらえる、滑り台のようなスムーズな導線を設計するようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。

