「不安を煽るマーケティングはもう通用しない」の真実と見込み客の不安・恐怖を正しく利用する方法

不安を煽るマーケティング

こんにちは。セールスコピーライティング普及協会、認定ライターの石井です。

昨今、こんな話を耳にしませんか?

「不安を煽るマーケティングはもう通用しない」

ここで言う不安を煽るマーケティングとは、人間が持つ不安・恐怖の心理を刺激して商品・サービスの購入を促す手法のことです。

たしかに、不安を煽るマーケティング手法は、かえって見込み客の不快感を招いて、購買意欲を削いでしまう懸念があります。

だからといって、ターゲットとなる見込み客の不安や悩みに訴求しなければ、誰向けの商品なのかわからなくなり、必要とする人に届きません。

そこで今回は、見込み客の不安・恐怖を共感に変えて購買につなげる方法についてお伝えします。

目次

不安を煽るマーケティングの具体例

不安を煽るマーケティング手法には、主に次のような方法があります。

  • 見込み客の「このままでは大変なことになる」「一生苦しみから解放されない」という不安と恐怖を刺激する
  • 「太っている」「シワができている」「成績が悪い」など見込み客の持つコンプレックスを刺激する
  • 「他のみんなは持っている」「自分だけが持っていないなんて損だ」など、自分だけ取り残されているという心理を刺激する

具体例を示すと、次のようなものです。

  1. 子どもの成績が一向に上がらない。このままでは希望の大学に入れそうにない。
  2. 実年齢より老けて見られる。深いシワとシミのせいで、周りから「疲れている?」と誤解されてしまう。
  3. 物価は上がる一方なのに給料は増えない。今の貯金ペースのままでは、老後資金が全然足りず、ずっと働かないといけないのではないか。
  4. 「またダイエットに失敗した……」ぽっこり出たお腹を放置し続ければ婚活がうまくいかないし、将来的に大きな病気を患い、取り返しのつかないことになる。
  5. 同年代のママ友たちはみんな、賢く〇〇で時短して自分の時間を楽しんでいる。自分だけが毎日家事や育児に追われ、損している気がする。

つまり、「このままではマズいですよ」「今のままでいいんですか?」と訴求して「うちの商品なら解決しますよ」と購入を促していく手法です。

不安を煽るマーケティングの効果と逆効果

一見すると、不安を煽るマーケティングはターゲットに明確なメッセージを伝えているので効果的に思えますが、過度に煽りすぎると逆効果であることも事実です。

  • 「今、それを言われたくない」と不快になる
  • 「なんか否定された気がする」と傷つく
  • 「そんなことないよ!」と反発してしまう
  • 「大きなお世話」と怒りを感じる
  • 「もう話を聞きたくない」「見たくない」と拒否反応が起きる

その結果、商品を買うどころか、かえって逃げられてしまうでしょう。

LPの場合はページを閉じられ、プレゼンの場合は「ありがとうございました」「また連絡します」と見込み客は帰ってしまい、二度と連絡は来ません。

だからこそ、「不安を煽るマーケティングはもう通用しない」と言われるようになっています。

10年以上前であれば、不安を多少過度に煽っても、まだ反応は良かったかもしれません。

しかし、情報が溢れている今の時代、見込み客は「無理やり不安にさせようとする手口」に敏感になっています。

情報過多の今だからこそ、見込み客が持つ不安・恐怖の心理を刺激することには慎重になる必要があります。

見込み客の不安・恐怖を正しく利用して購入を促す3つの方法

では、見込み客にスムーズに購入を促すにはどうすればいいかをお伝えします。

不安・恐怖を煽りすぎると逆効果とはいえ、見込み客が持つ悩みや不満、欲求には寄り添う必要があります。

次のように工夫することで、見込み客を不快にすることなく、「早く解決したいから買いたい」と自発的に購入を促すことができるでしょう。

煽りを共感に変える

見込み客に不安や恐怖を煽るのではなく、悩みに寄り添って共感を得る伝え方にしましょう。

セールスコピーライティングの反応が取れる構成の型として有名なPASONAの法則があります。

PASONAの法則には、「旧PASONAの法則」と、「新PASONAの法則」があります(実際は「新PASONAの法則」の進化形もあるようですが、本記事では割愛します)。

「旧PASONAの法則」と、「新PASONAの法則」の構成の流れについては、次のような違いがあります。

旧PASONAの法則新PASONAの法則
Problem(問題)

Agitation(扇動)

Solution(解決策)

Narrow down(絞り込み)

Action(行動)
Problem(問題)

Affinity (親近感・共感)

Solution(解決策)

Offer(提案)

Narrow down(絞り込み)

Action(行動)

いずれも、上記の順番で見込み客の購買行動を促すという構成の型で、LPや通販番組、セールスのプレゼンはだいたいこのパターンで作られます。

フィットネスマシンを例にすると、「旧PASONAの法則」は次のような話の流れになります。

旧PASONAの法則の例(問題⇒扇動⇒解決)
  1. 問題:「最近、お腹周りのお肉が気になっていませんか?」
  2. 扇動:「そのぽっこりお腹を放置すると、着たい服も着られなくなり、周りからだらしない人だと思われてしまいますよ! しかも健康を損ねて働けなくなるかもしれません」
  3. 解決:「でも、このマシンを使って運動すれば……」

典型的な扇動ですが、傷口に塩を塗るようで、不快に感じる見込み客がいるかもしれません。

一方、新PASONAの法則は、次のような話の流れになります。

新PASONAの法則の例(問題⇒親近感・共感⇒解決)
  1. 問題:「最近、お腹周りのお肉が気になっていませんか?」
  2. 親近感:「毎日仕事や家事に追われていると、運動する時間なんて到底取れませんよね。忙しくてストレスがたまり、つい食べ過ぎてしまう気持ち、とてもよくわかります。実は私も以前はそうでしたから。」
  3. 解決:「でも、このマシンなら忙しい方でも無理なく続けられる……」

旧PASONAの法則に比べると、新PASONAの法則の方が、見込み客の悩みに寄り添っているように見えます。

人は、「自分のことを深く理解してくれている」と感じる相手に心を開き、信頼を寄せます。

伝え方次第で、不安を煽って無理やり動かすのではなく、「この人は私の味方だ」「私の痛みをわかってくれている」と感じてもらうことが可能です。

PASONAの法則については、以下の記事で詳しく解説しています。

実は、PASONAの「A」の部分は扇動や親近感・共感だけではありません。

いくつか構成のパターンを知って実践に落とし込むことで、不安を煽りすぎることはなくなるでしょう。

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何度も煽らない

私がLPやセミナースライドを添削している中で、意外と多いと感じるのが、何度も煽ってしまっているパターンです。

商品を購入した後に手に入る理想の未来を「天国」、問題を放置して何もしなかった場合の悲惨な未来を「地獄」とします。

見込み客に行動を促すためには、「このままでは地獄が待っていますよ」「でも、これを使えば天国に行けますよ」と、コントラストを見せることは確かに効果的です。

しかし、だからといって、天国と地獄を繰り返し見せることは逆効果になりかねません。

フィットネスマシンを例にすると、次のような流れは悪い例です。

煽りを繰り返す悪い例
  1. 「このままぽっこりお腹を放置すると、着たい服も着られなくなるだけでなく、健康を損ねて取り返しのつかないことになるかもしれません(地獄)」
  2. 「でも、このフィットネスマシンを使って1日5分運動すれば、無理なくスッキリとした体型を目指せます(天国)」
  3. 「ただ、自己流で運動しているだけでは特定の関節に負担がかかり、体を痛めて逆効果になる危険性が残っています……(地獄)」
  4. 「でも、購入特典の『プロトレーナー監修・正しいフォーム解説動画』を見ながら実践すれば大丈夫!(天国)」
  5. 「とはいえ、体力が落ち始めている今すぐ始めないと、ますます運動が億劫になり、一生だらしない体型のままですよ!(地獄)」

このように、何度も不安を煽られてしまうと、テンションが下がって見込み客は離脱します。

PASONAの法則で言えば、地獄を見せるのは「P」と「A」の部分だけで問題ありません。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

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抱えている問題の原因を見込み客のせいにしない

見込み客に不安や悩みを提示する際、極力避けたいことが「見込み客を否定すること」です。

「あなたが太っているのは、運動不足で怠けているからです」
「売上が上がらないのは、あなたの努力が足りないからです」

これではどれだけ良い解決策を提示しても、話を聞いてもらえません。

そうではなく、問題の原因は、見込み客の外の部分にあることを伝えましょう。

「あなたが痩せられないのは、現代の食事に糖質があふれているからです」
「売上が上がらないのは、業界全体が古い常識であなたを縛っているからです。例えばこんな思い込みをしていませんか?」

このように「あなたが悪いわけではない」と伝えることで、見込み客はホッと安心し、心を開いてくれます。

【まとめ】煽りが強いなら伝え方を変える~煽るより寄り添う~

情報が溢れ、見込み客のリテラシーが高まっている時代に、ただ闇雲に不安を煽る手法は、不信感や反発を招きます。

最悪の場合、自社ブランドイメージを毀損することになりかねません。

一方で、見込み客が抱える痛みや悩みから目を背けてしまっては、商品の真の価値は伝わりません。

大切なことは、不安や恐怖で煽るのではなく、伝え方を変えて見込み客の心に寄り添うようにすることです。

もし、ご自身のLPやセミナースライド、セールストークなど煽りが強いと感じるようなら、今回の視点を取り入れて見直してみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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